人気になってもロックバンドの「amazarashi」が素顔を隠し続ける理由とは?

2015年03月14日

 テレビアニメ「東京喰種トーキョーグール√A」のエンディングテーマ「季節は次々死んでいく」で注目を集めているamazarashi(アマザラシ)。
 
目を背けてしまいたくなる人間の弱さ、醜さ……。決して明るいとは言えない暗い影や闇を感じる言葉が歌詞には並ぶ。
しかし、その歌に胸を打たれ、amazarashiを聴くことで「希望」が生まれたという人は後を絶たない。
なぜamazarashiは闇を抱えた人々の救世主となりえたのだろう。
 
amazarashi「季節は次々死んでいく」
 
 
 
amazarashiの特徴的な演奏スタイルとして、メディア露出をしない、というものがある。ライブでだけ素顔を見せる覆面アーティストは、もはや珍しくはないがamazarashiの場合はさらに徹底している。ライブでも顔を見せないのだ。
 
ライブ会場にはスクリーンが張られ、amazarashiの演奏はその奥で行われる。
amazarashiというバンドとはビジュアルやその場のノリで繋がることはできない。ファンとamazarashiを繋いでいるのはメロディや歌詞にこめられたメッセージそのものだ。
 
ビジュアルもノリもいらないアーティスト。それならば、ライブはなくてもいいのではないか?
実際、amazarashiはライブよりもインターネットを通じて拡散され続けているアーティストだ。しかし、それこそがamazarashiがもっともメッセージを届けたいファン層なのだろう。
インターネットでなければ繋がれない人々……それは、社会との接点をどこかで失ってしまい、孤独の苦しみに喘ぐ者だ。おそらく現代において、絶望の闇が深い部類に入るだろう。amazarashiがメッセージを届けたいのは、正にそうした人たちなのだ。
 
バンド名である「amazarashi」という言葉が歌詞中に登場する歌がある。
 
amazarashi「もう一度」
 
 
生きていくなかで逃げても逃げても降りかかってくる苦しみや絶望。濡れて冷たくならないように守ってくれる傘などない。それでも生きていけ、とamazarashiは歌い続ける。
陰鬱な歌詞は絶望のなかで生きる人々の姿そのものだったのだ。
 
しかし、amazarashiの歌詞は陰鬱なままでは終わらない。
必ずその中から希望を見出してくれる。amazarashiが、現代の闇を抱える人々の救世主になれた理由がここにある。
 

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