摩天楼オペラ 「生きることは辛いけど、“やっぱり、いい世界だな”と思ってほしいから」(苑)

2014年09月01日

より劇的に、より生々しく。合唱を取り入れた斬新なロックに挑んだ前作を経て、摩天楼オペラがたどりついたのは、人間味あふれる“音の天国”だった――。
取材/文:宮本英夫

――1年半ぶりのアルバムが完成しました。手応えは?
彩雨「いろんな曲がありながらも、どの部分を10秒間切って聴いても、摩天楼オペラだとわかってくれるんじゃないかなと。あらためて、こういうバンドサウンドが僕たちの持ち味だなということを感じました」
悠「メンタル的にも、今までで一番楽しく作れたアルバムです。前のアルバム『喝采と激情のグロリア』はすごく壮大なアルバムだったけど、今回はそこに生々しさがプラスされて、前のアルバムよりももっとダイレクトに、詞も曲も伝わるのかなと思います」
Anzi「今回も“最新のものが最高”を更新できたと思います。ギターに関しては、古き良き80年代のハードロック/ヘヴィメタルが僕のプレースタイルなんですけど、今までの作品の中では一番難度が高いですね。そういう部分はギターキッズには刺激的なんじゃないかな」
――今回のテーマは“劇的ロック”ということですけど、これは?
苑「前のアルバムのツアーが終わって、さてどうしよう?という時にふと出てきたテーマです。曲作りにおいて、もう長いことこのメンバーでやってきてるので、凝り固まっている部分もあったので。これまでのパターンを一回無しにして、新しい摩天楼オペラを模索してみないか?という意味で、“劇的ロック”をやろうとみんなに言ったんです」
――ジャンルというより、精神的なものというか。
苑「そうですね。僕たち5人がまとまるためのワードなので、それに沿って曲を作ったわけではないです。あえて説明すると、聴いていて“おや?”と引っかかったり、“突然こんな展開になるんだ”と思ったり、ものすごく感動したと思った次の瞬間に、もっとすごい感動の波がすぐに来るとか。ホップ、ステップ、ジャンプみたいな定型を一回外して、いいところばっかり詰め込んだ曲作りをしてみたかったんですよ。それが僕たちの思う“劇的ロック”です」


――1曲目「journey to AVALON」にはゲーム音楽の巨匠・伊藤賢治さんが、アルバムジャケットにはイラストレーター・小林智美さんが参加して、豪華な顔ぶれです。
燿「僕は伊藤さんが手掛けた「ロマンシング サ・ガ」シリーズが大好きで、伊藤さんのライブを見に行った時に“大ファンです!”とアピールして、知り合いになりまして(笑)。そのあとで小林智美さんを紹介してもらって、いつかコラボレーションができればいいねという話をしていたんですけど、今回のアルバムの雰囲気と伊藤さん、小林さんの持っているものがすごくマッチしていたので、お願いしたところ、快く引き受けていただきました」
彩雨「曲は伊藤さんと僕の共作になってますけど、打ち合わせの時にあえて何も伝えなかったんですよ。アルバムのほかの曲も聴かせずに、小林さんが描いた絵のラフスケッチと、言葉で“だいたいこんな感じで”と伝えただけ。伊藤さんは“試されてる気がする”と言ってましたけど(笑)。すごくやる気になってくれて、すぐに制作に入ってくれました。僕らがあれこれ言わないほうが、お互いの持ち味を出せると思ったんですよね」
――うまくいきましたね。
燿「世界観もぴったりだし、いいものができたと思います」
――「天国」というタイトルがついた曲が、最初と最後に入っていて、アルバムタイトルが『AVALON』(楽園)。何か共通性がありそうですね。
苑「このアルバムの中では、どっちも同じ意味で使ってます。天国というと、死語の世界というイメージがあるじゃないですか。死んだあとに一番優しい世界が待っているという、でも僕はそれは嫌だなと思ったので。一番楽しい、癒される、美しい瞬間を現世で体験することが、いい人生だと思うので。生きることは辛いけど、“やっぱり、いい世界だな”と思ってほしいから。だから最後の曲「天国の在る場所」では、今いるこの場所が、天国にすべき場所だということに気づくというストーリーになってます」
――安らぎの場所はどこか遠くにあるわけではなく。
苑「そうですね。このアルバムは、人のあたたかさを表現してる曲が多いんですよ。だから僕も自然に、人間味あふれる歌詞が書けたと思います」
――9月から始まるツアー、楽しみにしてます。
燿「新しい曲たちが、ツアーを通してどんどん成長していくと思うので。もちろん1本目から全力で行くんですけど、1本目と、ファイナルの日比谷野外大音楽堂とでは、感じ方が違うと思うんですよ。それが今から楽しみです。そこまで1本1本楽しんでやっていきたいと思います」


摩天楼オペラ公式サイト


9/3 ON SALE
NEW ALBUM
『AVALON』
CD:KICS-3098 \2,593+税
【初回プレス盤】【通常盤】

① journey to AVALON
② 天国の扉
③ 隣に座る太陽
④ 輝きは閃光のように
⑤ 3時間
⑥ Stained Glass
⑦ Jolly Rogerに杯を
⑧ クロスカウンターを狙え
⑨ 蜘蛛の糸
⑩ 友に捧ぐ鎮魂歌
⑪ Orb
⑫ 天国の在る場所


【初回プレス盤】
★小林智美氏書き下ろしイラスト外箱付き
★アナザージャケット1種ランダム封入
(全5種/メンバーソロ写真仕様)
★7月23日発売New Single「隣に座る太陽」との
2作連動プレゼントキャンペーン応募券封入
・A賞:“AVALON TOUR”全公演入場可能
プレミアムフリーパス 5名様
・B賞:“AVALON TOUR”FINAL
日比谷野外大音楽堂公演(2014年10月18日)    
ペアご招待 10組20名様
・C賞:メンバー直筆サイン入り“AVALON TOUR”
ラミネートスタッフパス レプリカ 30名様
>>>応募締切:2014年9月10日(水)当日消印有効


LIVE
AVALON TOUR

9 /17 (水) TSUTAYA O-EAST
9 /19 (金) 金沢 AZ
9 /20 (土) 新潟 Live Hall GOLDEN PIGSRED STAGE
9 /23 (火) 札幌 KRAPS HALL
9 /25 (木) 青森 QUARTER
9 /27 (土) 盛岡 Club Change WAVE
9 /28 (日) 仙台 darwin
9 /30 (火) 大阪 BIGCAT
10/ 2 (木) 広島 ナミキジャンクション
10/ 4 (土) 熊本 B.9 V2
10/ 5 (日) 福岡 DRUM Be-1
10/ 7 (火) 松山 サロンキティ
10/ 9 (木) 神戸 VARIT.
10/11 (土) 京都 磔磔
10/13 (月) 名古屋 BOTTOM LINE
10/18 (土) 日比谷野外大音楽堂

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